【報告】相視協のイベント協力

2026年3月3日(火)、中央区富士見のウェルネスさがみはら2階にある市立視覚障害者情報センター(以下情報センター)にて、相模原市視覚障害者協会(以下相視協(そうしきょう))が主催する「指先で感じる新しいカタチ「3D模型触察体験会」」が開かれました。講師は鶴見大学教授の元木章博氏。つなぐ会有志も同会に準備段階から当日の会場の設置や参加者へのフォローを行うなどの協力をしました。体験会は、相視協が情報センターで月に2回、市の委託により実施している「視覚障害なんでも相談サロン」(https://www.sagami-portal.com/hp/dnt10085/)の事業の一環で行われました。

このイベントが企画されたきっかけは、昨年11月16日に、つなぐ会が開催した「第16回図書館ひろば」に、相視協の会長・宇都木さんが来てくださったことでした。図書館ひろばで展示していた3D模型を宇都木さんが触る体験をされたあと、「見ることに困難さを抱える方たちに向けて、同じような体験サロンを開きたい」とのお申し出がありました。同席していた元木教授が「ぜひやりましょう」と応じられ、合わせて、つなぐ会へのイベント協力への打診がありました。これを受け私たちは運営委員会で話し合い、つなぐ会有志が体験会に協力することを決めました。

年明け1月7日に元木先生、情報センター職員、市の福祉課職員、つなぐ会メンバーと打ち合わせを行い、相談サロンと同じ時間帯に、触察イベントを行うことになりました。

体験会の当日は、7名の視覚障害当事者が参加しました。大半の方が、イベント開始よりも早く集まり、和気あいあいとお話をされていて、会を楽しみにされていたことが伝わってきました。

はじめに、宇都木会長からこのイベントを行うようになった経緯が述べられました。次に元木教授から、3Dプリンターの仕組み(形にする際に使われるフィラメントという材料の説明など)や、なぜ今3D模型なのか、などのお話を伺いました。折り紙や粘土細工でも立体物を触ることはできますが、強度の面で問題があります。そして3D模型は複数用意でき、みんなで同じものを一斉に触れられる良さがあります。また、大きなものを小さく縮尺したり、小さなものを大きくして触りやすい形にしたりすることも可能です。今は仮想空間の立体化を実際に実現できること、3Dと図書(本)を連動して情報保障につなげたいことなど、元木先生の研究やお考えが語られました。

3D模型の魅力を理解したところで、ここからは触察です。今回用意されたのは「世界遺産の建造物」。みなさんが触る模型についての解説などは、鶴見大学のサークル「情報バリアフリー推進会」の学生1名と、つなぐ会2名がサポートしました。

まず、参加者に1人1つずつ渡されたのは‘ウェルネスさがみはら’。「これはなんでしょう?」と問いかけてもなかなかわからない様子。「皆さんが今いる、この建物です」と種明かしをすると、触っている皆さんから質問がおこります。「どこが正面?」「この窪みはなに?」「タクシーが着く場所は?」「ウェルネスにいてウェルネスを触るのって楽しい!」。 晴眼者が触って得る情報以上に細かな部分まで感じ取っているようすが伝わってきました。次に‘神奈川県’の地図模型を触察。「どこの県でしょう?」と問いかけます。それぞれの模型の方角や海岸線を伝えると、数名から正解が!触り心地のある凹凸の形状で表されている大山や箱根、相模川の位置を触って楽しみました。続けて配布された‘東京都’の模型と、‘神奈川県’とをパズルのように合体させます。川崎市と相模原市に挟まれた特徴的な町田の位置を皆で確認しました。

そしていよいよ世界遺産。‘サグラダ・ファミリア’‘ケルン大聖堂’‘エッフェル塔’‘パリエトワール凱旋門’‘パリ凱旋門を中心にした放射状の街並み’‘アンコールワット遺跡’。沖縄の‘首里城’や三角形を組み合わせた不思議な形の‘水戸芸術館シンボルタワー’などの建造物を順次テーブルに回しながら触っていただきました。「製作するためのデータはどのように入手するのか」「完成までにどのくらいの時間がかかるのか」「製作費はいくらか」といった、模型製作の具体的な質問が続き、参加者とスタッフとの間の会話が途切れることはありませんでした。

参加者からは「他にもこのようなサロンを開きたい」「友人にも触ってもらいたい」「お正月に親戚と3D模型で盛り上がったが、今日は2度目のお正月が来たようだ」との感想が聞かれました。主催者の宇都木さんは、相談サロンに来た方への対応で、時々離席されてお忙しそうでしたが、「隣の相談室にいても楽しそうな声が聞こえてきた。」「地図を触ることでイメージすることができた。」と喜ばれていました。

今回は「図書館ひろば」がきっかけでこのようなイベントが開催されたました。また、お手伝いさせていただき多くの学びを得ることができました。“つなぐ”をキーワードに活動している私たちにとって、貴重な経験となりました。

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